2019 今年の丹沢渓流釣りを振り返る

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2017年度からの台風被害により、2018年度は林道など丹沢においても崩落個所などが多く、今年2019年には、やっと各フィールドに訪れることも容易になりつつあった。復旧も進んでいたかと思えば、この秋の台風19号によって多くの箇所が再び甚大な被害に見舞われてしまっているようである。

ともあれ、本年はシーズン開幕から秋口まで(例年9月初旬に納竿)、ある程度の行動や釣果は得られたので満足する年とはなった。

とはいってもフリーランス時代の年間釣行回数にはかなり及ばず、シーズン中の釣行回数(沢登りに終わったこともあるが)は30回弱で、週に2休の身としてはボチボチといったところである。

内訳としては、春先から初夏の北、東丹沢源流のイワナ釣り。盛夏から秋までの小渓流でのヤマメ釣りといったところである。

これらは、当ブログのテーマの一つである丹沢におけるイワナ・ヤマメの在来種探しの延長線上にある釣行ではあるが、それなりに面白いことに気づきかけた一年になったので、少しばかりお話してみたい。

以降、具体的な河川名を挙げてしまうと同じようなテーマを持つ後進となるアングラーの好奇心を削いでしまうと思われるので河川名は避けておきたい。

2019 実釣におけるイワナ在来種の存在に迫る

まずはイワナ釣りについて。それこそ奥羽山脈や各日本アルプスなどにある林道を自動車で行ける所まで行き、ポンッと源流地帯に羨ましいほど入れる場所は丹沢にはないだろう。

行程で言うと、車止めのゲートから2時間前後、さらに林道や沢づたいに同程度と言った話である。

地図を見ればお分かりになるかと思うが、このあたりになると丹沢では標高では1000m前後となっているはずである。一般には、そろそろイワナのみの生息が多いとされる標高であるが、丹沢でもご多聞に漏れることはないようであった。

丹沢の最高峰である蛭ヶ岳でさえ、1,673m 。それほど高くはない山塊においても1000mまでの流れに達するまでは魚止まりと思われる滝や大堰堤が各所にあるわけだが、実釣でもさらに上流でのイワナの魚影は見られる。

源流ではこんな細流でも大イワナはいるものだ

これが何を意味しているかは、もはや不明と言わざるを得ないのだが丹沢主脈の稜線が目視で確認できるほどの最上流部の沢筋でも確かにイワナは生息しているのだ。

ただし、イワナのパラダイスなどと言われるほど魚影の濃さは見受けられず、さりとて小イワナが皆無と言ったこともない不思議な水域が多い。

正直言って、俗にいうところの尺上など問題にならない上のサイズを多く手にしたのもこう言った水域であった。

誤解しないでもらいたいのは、けっしてイワナパラダイスというフィールドがあるわけではなく、釣れたなど確認できる個体は極僅かで、おそらくは優秀(大型に育ったとか運が良いもの)なものだけが最上流部まで達して生息域を広げようとしている姿なのだと思う。

当然ながら、これを確認するにあったっては、ボクも死にもの狂いではあったのだが (笑)

これらのイワナのルーツを考えると、まずここまで下流から放流され遡ったとは考えずらい。さりとて、この標高を考えると、かつて昭和の釣りブームで、気骨あるアングラーがなしえた放流魚の末裔とも考えずらい。

丹沢のヤマトイワナは幻か?

まぁ、いずれにしても詰め遡った最上流にもイワナは生息しているのは確かなのだけれど、これが丹沢の在来種かと言えば早計すぎる話となるだろう。

まず、イワナ在来種はいなかったとするなら近代に入ってからの放流魚の末裔であることは間違いないところで、これらが確認できた標高の上流域までイワナを放流放流した人物がいたのかという疑問も浮かんでしまう。

北丹沢 標高1000m付近でのイワナ

逆に丹沢にイワナの在来種がいたとするなら、よく言われるところのヤマトイワナ系であったとする話と裏腹に確認できたものはことごとくニッコウイワナであるのはなぜか?

一部にヤマト型と思しきものも散見されたが、ボクのようなものでもよくよく見れば、すべからくニッコウイワナに間違いはないものがすべてであった。

むろん、今シーズンは北と東の相模川水系に限った丹沢ということになるが、以前にポストした 丹沢イワナと秩父イワナの類似性に在来種を考える につながる確証につながるものにもなった。

丹沢をホームグラウンド、あるいは愛するアングラーならば、丹沢のネイティブイワナ(在来種)に興味をお持ちの方も少なくはないと思うが、今シーズンまでの結果では丹沢本来のイワナはニッコウ型か、あるいは存在しえなかったと言えるのかもしれない。

丹沢ヤマメ

こちらも私的なテーマとしてはいたが、近年では保護・保全する取り組みが行われているということもあって、それらしき個体が北・東丹沢の河川でも見られるようになってきている。

これらを養殖、放流してもとの姿に戻すという試みではあるのだろうが、追い求めている身としては少々混乱するところもあり微妙な心境に現在はある。

本来はヤマメは生息しないという極論(アマゴであったとする)をはじめに、定義として朱点や朱帯(アマゴに近い)をもち、幼魚紋 (パーマーク)が小さく乱れるのが在来種の特徴であるとされている。

定義に沿った特徴を持つ19㎝程度のヤマメ

この点においては、数年で人の手を借りずに生息を続けてきた在来ヤマメも判別は不能となってしまうのが、今一つ残念ではあるが喜ばしい事としておきたい。

さりとて、ワイルドで完璧な美しさを持った魚体の八丁ヤマメが少なくなるのも一渓流釣りファンとしては後ろ髪を引かれる思いでもいる。

八丁ヤマメとは、「 八丁やまめ養殖センター 」の創業者である石井誠一氏が昭和50年代以降に育種し、丹沢の各地に拡散していった養殖ヤマメである。

以下は、web上の「八丁ヤマメ」からの引用になる。

八丁ヤマメ

 ①側線上に赤点も黒点もないもの。

 ②側線下に黒点の少ないもの。

 ③パーマークがきれいな楕円形で、側線上に間隔よく並び、かつマークの「切れ」のよいもの。

 ④銀毛でないもの。

 ⑤背鰭、尾鰭に黒点のないもの。

 ⑥成長の良いもの(悪いものは採卵時に淘汰)。

 ⑦卵径の大きいもの(小さいものは採卵時に淘汰)。

 ⑧当才で成熟しないもの。

 ⑨当場(八丁やまめ養殖センター)で2年間、魚病を乗り切ってきたもの。

話は脱線気味となったが、放流対象にならない河川にも前述の在来種と思しき特徴を持つ個体は少なからず確認できた。

冒頭で断ったように河川名は記載できないまでも生息が確認できたフィールドが点在しているのは確かである。

杉植林の多さのためか忘れかけられた源流に

しかしながら、小河川の細流ゆえにアベレージサイズは16㎝程度で、例えば♂の24㎝であっても鼻は曲がり十分にヒネ(成魚)ているものであった、という具合にイワナのそれとは違って、最上流のヤマメは小型化が目立った。

付け加えるなら、丹沢でのヤマメ生息は1000mが限界で、以降はイワナのみの生息となっているようである。

まとめとしては、今後の丹沢ヤマメは在来種系の個体が増えて八丁系は少なくなり、純血のヤマメ在来種の判断はますます困難な状況になりつつある気がしている。

各機関の在来種への取り組みは大いに期待したいところだが、実釣においては成果が出ているように見受けられた。

しかし、本来は各河川特色を持つものが生息していた可能性を含めると、わずかに疑問も残るところなのだが。

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