丹沢のヤマビル事情

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振り返れば、Tanzawa’s land leech.(丹沢のヤマビル)。正直言って、2019のシーズン中もトレッキングであれ渓流釣りであれ、悩まされた最大のストレス要因となった。

はっきりはしない昔の話として、これを前提にすると丹沢のヤマビルの生息は本来、早戸川源流域など蛭ヶ岳東麓に限られていた(1945当時)ようではあるのだが、今や少なくとも東丹沢全域と隣接する地域には確実に生息しているものと思われる。

現状でのヤマビル生息域と対策

流域で言えば、相模川支流の玉川・小鮎川上流(厚木市七沢・清川村)などは特に生息が多いとされているのはこのページに興味を持った方であればご存じかと思う。

くわえて、北丹沢にあたる相模原市緑区の鳥屋一帯(早戸川流域)にも蔓延している有り様で、宮ヶ瀬湖周辺は既に巣窟と言った状態なのだ。

今や表丹沢(伊勢原市・松田町)はおろか、西部を除く西丹沢や北丹沢の道志川右岸は旧津久井郡津久井町青野原付近までに生息域を広げているようだ。

※ 近年は、道志川を越え左岸の旧藤野町牧野牧馬地区南部に拡大しているとも聞いている。

少なくとも学術的な機関のおこなった研究調査が行われた2007年にはこれが確認されている。

この調査で、神奈川県の自然環境保全センター報告によれば、2005 年時点で、北海道と四国を除く25 府県でヤマビルの発生が確認されているというが、丹沢山塊におけるヤマビルの生息数はずば抜けている。

詳しくは、こちらも一読されたい。 

神奈川県自然環境保全センター報告 第6号 (2009) [PDF]丹沢山地におけるヤマビルの生息分布と生息環境

また、神奈川県ホームページでは ヤマビルにご注意を! として注意喚起を促しているページもあるので参考にしてほしい。

いずれにしても5月から10月と言ったハイシーズンに丹沢を歩くとなれば、この吸血鬼に遭遇しないといったことは稀と覚悟した方が良い。

ヤマビルの生態と時系列での生息域拡大について

早戸川上流域のヤマビル

この丹沢にはびこるヤマビルは、学術的にニホンヤマビル (ヤマヒル、山蛭、学名:Haemadipsa zeylanica japonica)とされ、顎ヒル目ヒルド科のヒルの一種でミミズと同じく環形動物に属する体長2~8cm 程度の動物である。

光を嫌い湿潤な環境を好むため普段は落ち葉の下などに生息し、動物や人の気配を感じると接近して吸血するというのが調べた限りでの生体である。

前述したが、1945年以前のヤマビル生息地は、旧津久井郡津久井町鳥屋奥野地内の早戸川流域の早戸(現在の国際マス釣り場から上流の右岸)、詳しくは丹沢山と蛭ケ岳を結ぶ北面の沢筋などにわずかに生息していたことが鳥屋在住の住民の聞き取り調査により確認されている。

今をさかのぼること昭和20年のことである。

その後にどういった、生息の拡大が続いたというと、1955年(昭和30年)頃には早戸川に隣接する水沢川上流の伊勢沢や井戸沢、愛甲郡清川村の宮が瀬金沢、 中津川左岸の青藤沢、桶小屋沢流域の一部に生息地が拡大した。

1975年(昭和50年)頃には清川村煤ケ谷の塩水川や本谷川流域、札掛周辺にまで拡大。

1985年(昭和60年)頃には北丹沢道志川右岸の旧津久井郡津久井町青野原や東丹沢の清川村宮ケ瀬の一部地域、厚木市七沢の不動尻沢や二の足沢流域までに達する。

そして、20年前の1995年(平成7年)頃には東丹沢地域の清川村、愛川町、厚木市や表丹沢地域の伊勢原市、秦野市の山麓や山北町の一部や北丹沢では道志川右岸の旧津久井町青野原地区までに拡大した。

昭和の人口増加とや山にかかわる時代背景を鑑みても70年たった今、それほどに急速と言ったほどではないと個人的には感じているのだが。

ヤマビル対策

それでは、「冬にしか丹沢に行かない」と言うとボクなどは、そうもいかないわけで、丹沢ヤマビル対策となる。

それでは、よく言われているヤマビル対策グッズを紹介してみたい。

① 雑穀酢

これを靴下やタオルに浸み込ませて使用するなどよく言われるが、効果は抜群。

しかしながら、かなり匂いがきつく手間がかかり対策手段としては現実的ではない。

② 食塩

登山口にも用意されているのを見かけるが、これも靴下やタオルに浸み込ませて使用。

同じく対策手段としては現実的ではないと感じる。

③ 中性洗剤

とりあえずの殺虫剤程度の効果しかない。

④ ハッカ水

ドラッグストアなどで手軽に携帯スプレーを購入できる上に殺虫効果はてきめんなのだが、短時間の防除効果で今一つ。

⑤ 虫除剤

ディートを成分とする商品名で言うところのヤマビルファイターヒル下がりのジョニー

など。

これらは持続性も高く、防除効果も高い。森林組合や道の駅あたりでも販売しているほどに信頼性は高い。

ただし、現地やネット販売などでは購入できるものの、ドラッグストアで気軽に用意できるものではないようだ。

最強なのか?私的ヤマビルグッズとは

丹沢を愛する方々からすれば、それぞれの対策をなされているとは思うが、ボク的には小難しく考えずに子供のころから愛用している防虫剤が最強なのではないかと結論に達している。

それは、池田模範堂の「虫よけ/ムシペールα」なのだ。

⑤で紹介した商品より保持力はやや劣るものの、殺虫効果は上回るように私的には感じている。しかも、ヤマビル専用品と違って、ブユやヤブ蚊など他の吸血生物の対策にも気軽に使えるとあって、すこぶる使い勝手がよろしい。

勿論、100ml中に12gが農薬などに使われているディート剤とあってお肌の弱い方にはおすすめはできないのだが。

しかしながら、携帯するならばボクはこの一択なのである。

返す返すも、2019の丹沢ヤマビル対策はこれで乗り切ったことをくわえて報告しておきたい。

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