イワナの種類

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最近に至るまで、当ブログでもイワナ(岩魚)に関する投稿が増えてきている。

これは好きだからと一言で語りつくせないほどにの魅力があるからなわけで、どこかユーモラスでありながら信じられないくらいの現流域までその姿を見せるワイルドさに魅力を感じるからなのか?

渓流釣りの対象魚として、ヤマメ(山女魚)とは対極的な魚類ではあるのだが、一方でヤマメに比べて種の多様性や変化が目立つ魚類でもある。

渓を知る釣り人であれば、一通りの知識はお持ちかと思うが、あえて国内のイワナの種類について今回は羅列してみたい。

日本の在来種イワナ その種類と分類

分類上は、サケ目サケ科イワナ属の学名 Salvelinus leucomaenis 、英名 Whitespotted char ということなのだけれど、広義では近縁種のオショロコマ Saivlinus maima krascheninnikovi も含めてイワナとして扱われることが多い。

さて、以前の投稿にもあるようにこの魚は極めてといってよいぐらいに地域性による変異が大きい。

これは高山植物などにも見られる閉鎖的かつ限定的な源流性、あるいは氷河期由来の動植物がもつ特徴の一つではあるまいか。

例えば、「○○シャクナゲ」など○○にそれぞれの山の名が当てはめられた名を持つ花はたくさんあるわけだ。

これに当てはめると持論であるところの「秩父丹沢イワナ」などという種も確立しかねないのだがw 学術的にはそうもいかないようで、国内でも長い間、分類については論争を呼んできたわけである。

このとらえ難い側面を持つイワナの種も昨今では、おおむね以下のように落ち着いているようである。

ニッコウイワナ Salvelnus leucomaenis

明治時代に外国人教師として来日したドイツ出身の博物学者F.M.ヒルゲンドルフが、日光のイワナにS.luuviusと命名したのが最初。

ちなみに当時の中禅寺湖に魚類の姿は見られなかったことから、周辺河川のイワナであると思われる。

最近では、アメマス系の地方型と位置づけられてられているが、本州で見られるイワナはまずこのイワナである。

山形県沿岸部や新潟県では降海型も似られ、一部は北海道の南端にも生息が認められる。

体側に白点、側線に黄~橙色(オレンジ)の着色斑点を伴(ともな)うが、同一の河川でも変異が大きく、着色斑点を持たない個体もいて、しばしば、アメマスとの違いが問題になる点でもある。

アメマス(エゾイワナ)Salvelnus leucomaenis leucomaenis

北海道から東北まで生息する Whitespotted char 日本産岩魚の原種とされる種。

列島の北へ行くほどに降海する傾向が強く、地方によっては陸封型をエゾイワナ、降海型をアメマスと呼び分けることもある。

背部や側面に白点および文様を持ち、着色斑点はない。

生息場所のキャパシティによって、白点の大きさは異なり、大場所では大きく沢などでは小さめの傾向がある。

降海型のアメマスは、2年目に海に下り、成熟(2年ほど)すると産卵のために川を遡上する。

ヤマトイワナ Salvelnus leucomaenis f. japanicus

形骸的な特徴は、背部や側面の白点は不鮮明で、側線付近に橙色(あるいは朱紅色)の着色斑点を持つ。

着色斑点が白点より目立つ点などでニッコウイワナとは容易に識別できるが、一般には太平洋側の静岡県富士川水系から琵琶湖岸までに分布しているとされる。

しかし、相模湾にそそぐ相模川水系の道志川上流にも生息が確認されている例などもあり、詳細は不明瞭。

亜種に近い種でアメマス系の地方型だとされる。

紀伊半島の十津川水系(奈良県)にのみ分布するキリクチは、地域変異型とされている。

ゴギ Salvelinus leucomaenis f. imbrius

中国地方の島根県、岡山県、広島県、山口県などの山岳地帯の源流域に分布し、アメマス系の地方型とされる。

分布域が山陰の一部に限定的なために亜種とする説もあるようだが、じっさいには東北や佐渡地方でもこれに似たものが見つかっているようである。

頭部に鮮明な虫食い文様がある点や体側上の着色斑点が大きいなどの特徴を持つ。

オショロコマ Saivlinus maima krascheninnikovi

国内では北海道にのみ分布し、北極海および北部太平洋沿岸に分布する。

十勝水系の然別湖と流入河川にミヤベイワナという陸封型の亜種が生息。

体側から背にかけて小さい白色斑点があり、体側には白い覆輪を持つ朱紅色の着色斑点がある。

婚姻色の朱色をした腹部が特徴的。

アメリカ大陸などにも分布する降海型のドリーバーデン(和名オショロコマ) Salvelinus malma malma とは同名亜種の関係にあり、カラフトイワナと呼ばれることもある。

突然変異種

渓流釣りでは、しばしば話題に上がる、「無斑イワナ」や模様が不規則な「流れ紋イワナ」と呼ばれる個体も存在する。

それらの個体は白色斑点や着色斑点が無かったり、パーマークが不規則であったりし、各河川の固有種では?と期待してしまいがちだが、河川により出現率に偏りが大きい。

これらは、ほとんどは定着性のない突然変異であり、遺伝的には通常の模様を持つ個体と相違点は無いとされている。

混血イワナ

じつは、自然界においても交雑が行われており、雑種が生息している地域はそれほど珍しくはない。

イワナの種間とは勿論のことヤマメとの雑種さえみられるが、外来種のブルックトラウト(カワマス)との交雑は容易に発生し、この雑種は繁殖力に劣るために管理釣り場などを持つ河川ではとくに生態が懸念されている。

くわえて、すでに国内の渓流域でみられる多くのイワナは本来の在来種ではなく、一見してコンディションがよいように見えても発眼卵放・稚魚放流などが多いようで、世代を重ねたものであっても元は漁協などが放流したものがほとんどである。

このように昨今では、養殖魚を由来とするイワナが国内の渓流域では生息が多い。

種の保全という意味においては、確実に各河川の在来種との混血化が進み純血が虫食まれるように失われてゆくのは残念だが、これが現実でもあるようだ。

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