カワウによる放流アユの食害とヤマメ放流

将来的な期待という事で、面白い試みがなされていた。

栃木・那珂川北部漁協が行った、カワウによるアユの捕食被害対策のためのヤマメ放流と言うもの。

これからヤマメ放流を増やす河川中流の漁協が増えるかもしれない

渓魚に比べて各漁協の収益の中心はアユ釣りであり、渓流釣りはオマケ的なものにすぎないほど重要なものになっているのは釣り人であれば、察して余りあるところである。

しかし、ここ数十年というもの放流の弊害なのかオフシーズンに河川に訪れる人々が減っているのかカワウが増え、春に稚アユを放流しても解禁日までには根こそぎ食われてしまうという状況が多いようである。

かつてのように平日でも「川ガキ」といった類の少年の姿も見かけることはなく、サンデーアングラーは気づかないかもしれないが、相模川水系の各河川でも目の前のキジが逃げないほどに野鳥の楽園になっている。

逆に野鳥の観察愛好家などからすれば、良い環境になってきたのかもしれない。

カワセミに魚のエサをやって写真を撮っておられる方もいるので、漁協の稚アユ放流もカワウから見れば人間が、エサを撒いてくれているように思っているのかもしれないが、こと放流事業といった点から見ればカワウは害鳥というレッテルを張られてしまう事になる。

漁協も対策として、魚のたまりやすい場所にキラキラした短冊状のテープを張ったりしたテグスを川に渡したりはしているものの効果は薄いようだ。

しかし、ボクなどはあれを見かけると、美観を損なう上に他の釣り人の邪魔になり、個人的には「なんだかなー」という感じでいる^^

那珂川北部漁協の新たな試み

nakagawahokubu

大田原市黒羽地区を流れる那珂川の那珂川北部漁協では、逆転の発想ともいうべき考えで、ヤマメを放流して春から川を訪れる釣り客増やし、カワウを近づけないといった方法を取り始めたそうである。

ソースはこちら » http://www.sankei.com/region/news/150410/rgn1504100068-n1.html

効果大なら今後、全国の漁協でもヤマメ放流が増えるかもしれない

もちろん、水温や水質など渓魚の生息に合わない河川もあるだろうが、ヤマメの釣り場という事で定着すれば、かなりアユの食害には効果がありそうだ。

同時にアユのシーズン中、ヤマメの釣り客とアユ師とのトラブルやヤマメにアユが食われるなど弊害も考えられるところではあるのだが、カワウの被害からすれば小さいだろう。

こういった、人の気配を感じると近づかないカワウの習性を利用し、河川に釣り客がいる状態にすることで、カワウの食害防止につなげるといった発想は大いに歓迎したい。

これは以前より全国のアユ師からも、少なからず指摘を受けていた(アユ師は同時に渓流釣りもするかたが多い)点で、遅すぎた試みと言っても過言ではないのではなかろうか。

しかしながら、やがて効果が上がり、近い将来、早ければ、来シーズンにも相模川水系の漁協組合から良いニュースがアナウンスされることに期待したいところだ。

日本のペリカン「カワウ」

日本に生息するカワウは、P.c.hanedae という亜種に分類され、日本とその周辺(サハリン、韓国、台湾)のみに分布。

ペリカン目ウ科に分類され、世界で約40種が確認されている。

釣り人から見れば、つい害鳥と言う目線で見てしまうカワウなのだが、ペリカンの仲間で単に野鳥としてみるとユーモラスな姿に加えて知能の高さを取ってみても興味深い鳥類である。

カワウ (学名Phalacrocorax carbo) は、世界に広く分布しており、分布域は、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリア、北米等、南米以外の大陸とオセアニアに及ぶ。

本来のヤマメ生息域である上流域ではカワウの姿を見かけたことはないが、いわゆるアユの生息域である清流域ではよく見かけるカラスと同程度かやや大きめの野鳥である。