それは本当に○○マダラカゲロウのニンフなの?

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マダラカゲロウの類については種の判断に大変戸惑うことが少なくはありません。

とくにニンフ(幼虫)期は酷似性が強く、とくにWebサイトなどでは流域や地域などの差もあり、種の混同が多くみらるようです。

正直言って、ボクも画像やブログ記事のポストなどでは不安な点も多くあり、学術的な方面からも大変難しいテーマのようでもあります。

何分にフライフィッシングなど、渓流の毛バリ釣りでは重要なテーマではありますが、昆虫学の世界でも研究が進んではいないようなので今回はマダラカゲロウを深堀したいと思いますw

※ここでは相模川水系や酒匂川水系などの神奈川県内の河川における釣り人のためのマダラカゲロウ類の参考記事とさせていただいております。

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マダラカゲロウ科のニンフ(幼虫)の酷似性

最近までの学術的調査でも神奈川県内におけるマダラカゲロウの種は20種ほどとされるが、分類はカゲロウ目のなかでは比較的整埋が進んでいる。

しかし、「多数の未記載種やシノニム(専門用語で同物異名の意)が存在する・近縁種間の相違点が不明瞭・同一種間での変異が多い」などから、他の分類群と同様に間題点の多いのが現状である。

じっさい、マダラカゲロウ科はもとより、ヒラタカゲロウ科やコカゲロウ科など多くの分類群についても信頼性の高い種のリストは公表されていないようである。

トウヨウマダラカゲロウ属

トウヨウマダラカゲロウ属では,「クロマダラカゲロウ、オオクママダラカゲロウ、チェルノバマダラカゲロウ」の3種は幼虫の形態が類似しているため過去に同定上の誤りが少なくなかったようです。

特にクロマダラカゲロウとオオクママダラカゲロウの2種は酷似し、明確な識別は困難で各種の発育ステージの相違を目安にある程度の識別するほかはない。

これについて河川や流域における若干のズレはあるものの、オオクママダラカゲロウが4月ごろ、チェルノバマダラカゲロウが5月ごろ、クロマダラカゲロウ6月ごろとそれぞれ羽化期が異なる。

また、生息域についてもオオクママダラカゲロウが上流域から中流域かけてかなり広範囲に分布するのに対し、クロマダラカゲロウはより上流域、チェルノバマダラカゲロウは中流域にそれぞれ分布するなど違いがあります。

トゲマダラカゲロウ属

トゲマダラカゲロウ属ではミツトゲマダラカゲロウ、コオノマダラカゲロウ、フタマタマダラカゲロウの3種が類似し、コオノマダラカゲロウは4~5月ごろ、ミツトゲマダラカゲロウが4~5月ごろ、フタマタマダラカゲロウは6~7月ごろとそれぞれ順に羽化する。

また、ミツトゲマダラカゲロウを除くトゲマダラカゲロウ属の各種は上流域から中流域にかけて広く分布し、ヨシノマダラカゲロウの分布はさらに広範囲に及ぶようである。

マダラカゲロウ属

マダラカゲロウ属では、キタマダラカゲロウ、ホソバマダラカゲロウ、クシゲマダラカゲロウといったところが酷似する。

キタマダラカゲロウは標高の高い水域、ホソバマダラカゲロウは山問部の渓流に分布、キタマダラカゲロウと比較するとより標高の低い地点で見られる。

クシゲマダラカゲロウは、上流域に多いが前者2種より広範囲にわたる。

エラブタマダラカゲロウ属

エラブタマダラカゲロウは中流域から下流域にかけて分布している。

身体にゴミをまといカモフラージュする。


アカマダラカゲロウ属

アカマダラカゲロウは中流域から下流域にかけて広く分布している。

流速のある場所などを好む。



流域における各マダラカゲロウ属の羽化期と分布表

 上流域に分布 クロマダラカゲロウ(6月ごろ) キタマダラカゲロウ(5~6月ごろ) ホソバマダラカゲロウ(4~5月頃)
 上流域から中流域に分布 オオクママダラカゲロウ(3月末~4月ごろ) オオマダラカゲロウ(5月ごろ) ヨシノマダラカゲロウ(6~8月ごろ) クシゲマダラカゲロウ コオノマダラカゲロウ(4~5月ごろ) フタマタマダラカゲロウ(6~7月ごろ)
 中流域に分布 チェルノバマダラカゲロウ(5月ごろ)
 中流域から下流域に分布 シリナガマダラカゲロウ(3~4月ごろ) エラブタマダラカゲロウ(4~5月ごろ) アカマダラカゲロウ(4~6月ごろ)
 上流から下流域に広く分布 ミツトゲマダラカゲロウ(4~5月ごろ)

※表の羽化期については2期ある種でも1期目の表記になっています。


釣り場ではマダラカゲロウ科の幼虫については羽化期や生息ステージを一つの基準として種を判断するのが現状では妥当かと思います。

もちろん、河川やその年によって羽化期や生息場所などズレは生じますが、マダラカゲロウ類のニンフ(幼虫)について判断に迷ったら、参考にされてみてください。

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